くろじいの小屋
COLUMN


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34  そっとしとけ!       2004. 4.16
 
リハビリの話を書こうとしていたのだが、今回のイラク騒ぎで段々腹が立ってきたので後回しにする。
 
そんなに大騒ぎするな、そっと見守ってやれ。
今これを書いている時、三人の解放がアルジャジーラで放送された。
ただイタリア人の人質が一人射殺された映像が流された、更には邦人ジャーナリスト二人拉致のニュースが飛び交っている。
先の三人が無事に解放された事は素直に喜ばしい・・・・・
しかし国内では家族にまで誹謗中傷の嵐。
親や兄妹が無事を祈る気持ちは当然だ、しかし今回捕まった彼、彼女らは命乞いをしていたのだろうか?本当に助けてくれと言っていたのだろうか?
 
きっと彼らはそんな中途半端な気持ちで行イラクに行ったのでは無いと思う、いやそう信じたい。もしその覚悟が無いのなら行くべきでは無い。
近所にボランティアに行ったのでは無い。
ましてや一人はフリージャーナリストとして、テロを警告されている場所に行ったんだぞ、
最悪の事態も覚悟して行ったに違いない。
彼らには強い志、信念があったに違いないのだ。
 
くろじいは若気の至りとはいえ、かつてロバートキャパを志して学校を辞めている。
才能も根性も無い俺には、結局長く成せる事では無かったが、それでも報道カメラマンというのはその位の志がある事を信じたい。
 
立川談志師匠が「西武遊園地でサメに喰われたら大騒ぎだが、テロが起こると警告されている場所で拉致されても当然だ」と言っていた。
ましてや都内でもゴミ箱を撤去したりと警戒が強化されてるご時世である、言葉はキツイがある意味同感だ。
彼らの行動は尊くても、周りに大きな心配と動揺を引き起こしたのは事実だ。
だから彼らの為にも今は騒ぎすぎてはいけないのだ。
 
こういう話になると必ず出てくるのが「人一人の命は地球よりも重い」という訳のわからない理論だ。この言葉くろじいは嫌いだ。
命を軽々しく思っているのでは無い。
人の命も、象やキリンや犬猫も、みんな命の重さは同じだという意味を言いたいのだ。
人の命だけが重いのでは無く、人が他の生き物の命を奪う事が絶対悪なのだ。
人の命が地球よりも重いとは人間のエゴ以外の何物でも無い。
 
自らすすんでイラクに行き人質となった三人も、今も命令で派遣されている自衛隊員も同じだ。まともな飲み水が無く、自衛隊の建設する浄水場を心待ちにしているイラクの子供達もみんな同じ命だ。
 
ボランティアとは実に聞こえの良い言葉だ。
しかし例えば家族の中で誰かがボランティアに参加できるのは、他に働いてる家族が居るからである。
自分の稼いだお金で海外ボランティアに参加するのであれば、そのお金を稼ぎ出せる環境と、日本経済を支える国民が居るからである。
 
ボランティアとは一人では絶対成り立たない、その事を決して忘れてはいけない。
もしそれを忘れた時、それはただの自己満足であり、偽善者なのだ。
 
日本人は「思いやりのある人になりなさい」と言って育てられてきた。
 
反面「小さな親切、大きなお世話」という言葉もこれまた真である。
「人の世話が出来るように、人の世話にならぬように」という標語も記憶にある。
 
でもなんだかそれじゃ寂しくないか?
ボランティアも立派だよ、だけどあんまり家族に苦労かけるな。
 
決死の覚悟で行っている自衛隊員も、イラクの子供達も、そこに暮らすであろう小動物達も皆無事でありますように。
 
 
 
 
 


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