くろじいの小屋
COLUMN


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33  視  点            2004. 4.26
 
いきなり球根の写真である。
数日前に葉が出てきた。
試しに延びを計ってみると一晩でなんと16ミリも延びている!
 
これは一年以上前、M病院に入院中頂いたもの。
暖かい病院内で大きな花をつけたアマリリスだ。
何故か捨てずに持って帰って来たものの、結局そのまま放置!
それなのにここ数日の暖かさで芽が出てきたという訳だ。
球根なんて触ったのは小学生の時以来。
当然興味もなく、花の名前など薔薇とチューリップ、菊位しかわからない。
この球根もさっぱりわからず、何故だかグラジオラスだと思い込んでいたくろじいは、
ある朝大きな花を咲かせたのを見て(見てもわからん)ナースステーションで言った。
 
「おーいでっかいクラミジアが咲いたよ〜」
 
あの時の彼女達の冷たい視線は忘れられないなぁ
似たような名前じゃん!病院ではその手のポスターも貼ってあるしさぁ・・・ブツブツ
 
何故かその球根が愛らしく感じる
こんなに花や植物を間近で見る機会なんて今まであっただろうか?
桜の芽吹くのを見て、季節を感じたなんて自分でも不思議な位だ。
 
 
いや?ちょっと待てよ・・・・・
この感覚何処かで感じた事無かっただろうか?
 
ずっと考えていた・・・・・そうバイクに乗っていてる時の感覚、それも降りた瞬間に感じたものに似ている。
 
よく都内の自宅から出て青梅街道を下り奥多摩を走っては帰って来た。
気が向くとそのまま心霊スポットで有名な花魁淵を通り過ぎ、甲府まで抜ける。
いつものコースなのに四輪で行くのとバイクでは全く違う。
山道に入れば景色なんかは観ない、普通の国道を常時100キロ近いペースでいかに速くコーナーを抜けるか楽しんでいた。
今考えるとよくも死ななかったものだと思う。
 
途中疲れてバイクを降り、地べたに直接座る。
エンジンを切ったときのあの感じだ。
座ったところには蟻が一生懸命餌を運んでたり、脇の水溜まりにはカエルの卵があったり・・・「俺こんな所走っていたんだ」と・・・・・突然木の香りや自然の音に触れる。
きっと歩いて行けばもっと違うのだろう。
 
生き急ぐとは、景色も観ないで突っ走るのと同じなんだなぁと思う
高速道路で防音壁の中を走り、早くは着くが景色も見えず金も取られる・・・・・
もしかしたらもの凄く損してるかも?
 
ほんのちょっと視点を変えるだけで、人生って大変革するんじゃ無いだろうか?
 
今、負け惜しみでも諦めでも無く、倒れて良かったと思えてる。
 
最近はこの球根の他にツバメの巣作りがおもしろいのである。
 
え?そりゃバイクには乗りたいよ、まぁ跨った途端に倒れるな〜やれやれ


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