くろじいの小屋
COLUMN


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16  あまのじゃく        2004.11.27
 
 東京の北部に、東から西へと向かう外環という高速道がある。
 
深夜の事、草加インターから外環に乗った俺は自宅を目指して車を走らせていた。
高速とはいえ制限速度は70q、時間は既に午前3時頃だったと思う、
さすが車の数も少ない。
「早く帰って寝たい」という思いから飛ばしていた。
 
前を高速で走るRV車があった、こちらの速度は170q程度だったと思う。
距離を詰めて一気に追い越す・・・
その時だった、後ろから白いGTRが猛スピードで迫ってきた。
「おもしろい」
ギヤを一つ落としてアクセル全開
メーターの針は既に数字の無い所を刺した・・・数秒経っただろうか
GTRの文字が飾られるグリルの中で赤いランプが光った・・・
白いそのGTRは覆面パトカーだった。
路肩に止め、GTRに乗り移る。
 
「急いでますね」
「はい」
「かなりスピード出ていましたね?」
「はい、すみません」
「何キロくらいでしたか?」
「たぶん・・・200キロくらいだったかと・・・」
「前に車がいましたね、覚えてますか?」
「はい、パジェロだったと思います」
 
・・・・・・・しばし沈黙
 
「事故を起こしたら大変ですよ、お兄さん素直な良い方だ、今日は速度は測ってません」
そう言って前車との「車間距離不保持」という軽い反則金だけで許してくれた。
 
速度計測のメーターをリセットしていた、その数字は200を越えていたように見えた、
速度を測ってないとは嘘だと思った。
もし速度違反を取られたら、交通違反とはいえ逮捕されるような速度
もう何年も前の出来事だ。
 
もっと前の話
 
バイクで渋滞路を走っていた。
先頭は路線バス、
交差点で前に出るために、センターラインを超えて右側を走る。
バスの前へ・・・
しかしバスの前には白バイがいた
止められた。
 
「だめだよー」
「はい」
「気持ちはわかるよ」
「はい」
「今みんな見てるから、信号が変わってしばらく経ったら行け、気を付けろよ」
立ち話を数分・・・許してくれた
 
もうひとつ
 
奥多摩の山道をバイクで走っていた。
遅い車を黄色いラインを越えて追い越した
サイレンが鳴って白バイに止められた・・・いつから後ろにいたのか?
 
「なにやってるんだ」
「追い越しました・・・」
「何台追い越したか覚えてるか?」
「はい・・・3台です」
 
しばし説教
 
「気を付けて行けよ」
違反キップは切られなかった
 
この他にも交通違反は数え切れないほどやってきた・・・・・
警視庁の聴聞会、錦糸町にある検察庁にも行ったこともある。
いけないよな〜
捕まった警官や違反内容は全く覚えていない。
 
しかし許してくれた3回の出来事と、その3人のおまわりさんの顔は今でも覚えてる。
 
この後、どんなに急いでいても黄色いラインを越えたりする事はしていない、
それは許してくれた彼らを裏切るような気がするからだ。
それだけは犯さないと自分で心に決めている。
 
11月1日に道交法が改正され、運転中の携帯電話等の使用が禁止された、
街角では徹底的に取り締まりが行われている。
 
 
「交通違反で捕まるのは運が悪いと思う」 ○か?×か?
 
運転免許所を取る時に行われる適性検査の問題が頭をよぎる、
もちろん答えは×だろうが、この取り締まりの光景を見てると○に思えてしまう。
 
くろじいが免許を取った頃はバイクのヘルメット装着は義務ではなかった。
シートベルトも同様で、している人の方が少なかった。
何故か俺は最初からしていたが、法制化とともにするのが嫌になった。
 
取り締まりのための取り締まりは意味が無い
心から反省はしないからだ。
人の動きは規制出来ても、人の心は縛れない。
 
人を諭すのは人にしか出来ない、少なくとも俺はそう信じてる。
違反キップを切った警察官は忘れたが、3人の「おまわりさん」の事は一生忘れないだろう。
 
あまのじゃくだね〜俺
あっ!1キロでも超えたら違反は違反ですからね・・・念のため


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