くろじいの小屋
COLUMN


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50  ド ラ マ           2004 .1.20
 先週TBSで「白い影」を再放送していた。
中居君主演の「砂の器」の前座のためだろう。
金曜日の最終回と土曜日のスペシャル版を観て、年甲斐もなくボロボロと泣いてしまった。
 
自分の死期をを悟り、自ら支笏湖(本当は死骨湖と書くらしい)で命を絶ってしまった主人公、直江庸介。直江の彼女である看護婦、志村倫子(竹内結子)が泣きながら「ずるいよ、私だって話したいこといっぱいあったのに・・・お腹に先生の赤ちゃんが居るんだよ」という場面では恥ずかしながら涙が止まらなかった。
ドラマを観てこんなに涙がでるなんて自分でもビックリした。
俺もまだまだ感動出来るんじゃん?・・・いや年取って涙もろくなっただけか?
 
実はこのスペシャル版が放送されたのは平成15年の1月2日、くろじいが何とか車椅子で動けるようになった頃に病室で観たんだな。
だからリアリティーがあったのかも・・・
 
H看護婦   「直江先生みたいなお医者さんなんて居ないよ〜」
 
くろじい    「ケッ!こんな竹内結子みたいな看護婦も居やしね〜よ」
 
H看護婦   「こんなふざけた患者も見た事無い!」
 
こんな会話をしたのを覚えてる。
 
ドラマは当然フィクション。
ドラマに感情移入したところでどうしようもない。
現実はきれい事じゃ済まない・・・・・等々
 
そんな事は言われなくたって当然わかってるよ。
でも何かそれじゃあ寂しくないかな?
 
理想論ばかり追いかけてたって意味無いけれど、現実を受け止めてほんの少しでも理想に近づけていく努力をする気持ちが大切なんじゃないだろうか?
例えそれが無駄に終わっても・・・である。
いや、そう思った時点で既に無駄じゃ無いと信じてる。
 
最終回は、当初診療方針で直江と対立していた医師、小橋俊之(上川隆也)が「直江先生の遺志を継いで大学病院へ戻り勉強し直します、そして必ず行田病院へ戻って来ますのでその時は血液内科を作ってください」と院長に直訴する場面で終わる。
 
直江の病名は多発性骨髄腫、一種の血液ガンである。
 
今から30年以上前にも、この「白い影」は田宮次郎(本当に自殺しちゃった)&山本陽子のコンビでドラマ化されている。
30年も経っているのに再び直江は死ななければならなかった・・・・・
長い月日が経ってもいっこうにガン征圧の可能性は見えていない。それどころか日本人の死因の30%を超えてしまった。
 
聞くところによると、ここ10年で近代医学は「病気の発見」という分野で過去に例を見ないほど長足の進歩をした。しかしこと治療に関してはそれほど進歩していないというのが現実らしい。
 
そんな日本にも必ず直江庸介は何処かに居る、そう信じたい。
でも〜志村倫子は未確認なり。


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