くろじいの小屋
COLUMN


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47  クッキー           2004. 1.25
 家の近くにお菓子屋さんがある。
何故かそこには、障害児の子供達が毎日通って来てお菓子作りをしている。
今までは気にもとめていなかったのだが、自分が今の状態になって「障害者の手引き」という本を区役所からもらった。その中にそのお菓子工場?が心身障害児通所訓練施設である事が記載されていて初めて理由がわかった。
 
そこに通ってきている子供達は、ほとんどがダウン症と呼ばれる病気の子供達である。
 
障害がある子供達と話す機会というのはあまり無いものだ。
語弊があるのを承知で書くと、心の何処かで出来れば避けたいと思ったり、腫れ物に触る様に見て見ぬふりをしていたいのではないだろうか?
人間は自分とはまるで違う世界に拒否反応や恐怖を抱くのかもしれない。
 
そこでは作りたてのクッキーを売っている。製造から販売まで先生の指導はあるものの基本的に彼ら彼女らが全てやっているようだ。
 
「いらっしゃ〜いま〜せ〜」
 
「クッキーちょうだい」
 
「ありがと〜ございま〜す」
 
「おじさん足ケガしたの〜?」
 
「おじさんじゃね〜よお兄さんだろ〜!」
 
「ごめんなさ〜いお兄さ〜ん」
 
「お兄さんはね、頭の中が切れちゃって半分足や手が動かなくなっちゃったんだよ、だから先生の言う通りこれ(ヘッドギア)を取っちゃいけないよ」
 
「は〜いわかりました〜」
 
この後釣り銭の事で彼らの意見が合わず、男女で殴り合い引っ掻き合いのケンカに発展したりするので大騒ぎだ。
そのクッキーはとても美味しい。夕方に行くと売り切れになっている事が多い。
 
よだれをいつも垂らしてる子がいる。
 
「お〜いこれにもよだれくっついて無いだろうな〜?」と笑いながら言うと。
 
「だいじょうぶで〜す」
 
「ホントかよ〜」とからかってみる
 
「ホントで〜す」「○○君はウソつかないもん、○○ちゃんはウソつきだけど〜」
 
素直というより「まっさら」と表現した方が良いのかな・・・
 
彼らは普通に笑い、怒り、泣く。
そこには駆け引きというものは欠片も存在しない。
純粋である。
 
障害児を持った親御さんにとっては、想像を絶する苦悩と葛藤があったに違いない。
それは俺みたいな者がわかるような事では無い。
 
またまた語弊を承知で言わせてもらう。
「あ〜こんなに純白の心をもった家族が居るという事は幸せだな〜」と心から思うのである。
 
幸せってすぐそこにあるんだよね。


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