くろじいの小屋
COLUMN


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29  介護ってなんだろうねU  2004. 5.31
 
  倒れてからテレビを観る時間が飛躍的に増えた。
 
地上波デジタル放送も始まるし、衛星放送もチャンネルが増えて情報の洪水である。
 
倒れる前などドラマなんか観る事もなかったのだが・・・・・
最近の傾向は「耳が聞こえない」「目が見えない」「目が見えなくなりそう」と言ったところか?
これで手話が流行ったりするわけで、それはそれで良いだろう。
でも主役はその時に話題性の高い女優であり、目が見えないと言っても目は開いている。
絶対条件として?彼女達は「外観では判断出来ない障害」を背負った「悲劇のヒロイン」でなければならない。
片マヒのオッチャンや外的に障害があるんじゃドラマにはならないし、スポンサーもつかない?確かに見たく無いよな〜まぁ世の中そんなもんである。
 
いきなり話がそれた、介護保険だ。
 
数週間前、日曜日のテレビ番組で介護保険の実態を放送していて愕然とした。
 
前にも書いたがくろじいは要介護1級の認定を受けている、要支援のひとつ上、軽い方から2番目の認定を受けている。
月額にすると、165000円程の介護サービスが受けられる事になっているが使った事は無い。使用時の本人負担は1割だ。
 
ところがこれがひどい事になっているのである。
前回の「介護ってなんだろうね」でT看護婦が言った事を覚えているだろうか?
「介護保険なんて、本来使えるはずの本人じゃなくて家族の都合で使ってる、介護支援なんてうたい文句とはさらさら遠い」
そう語った彼女は今日もその方面の仕事で最前線に携わっている。
ところが家族の都合ならまだしも、現実には業者の都合で使われている事が非常に多いという実態をその番組は取り上げていた。
 
介護保険は認定の下りた被保険者に対して、ケアマネージャーが色々なプランを計画し、
その人それぞれに最適な利用方法を提供していく。
ところがある業者は番組の中で「ケアマネージャーは営業社員、当然ノルマを課す」
「年寄りは取り損ないが無い金の成る木」と公然と言っていた。
 
それを裏付けるように、介護保険制度が整ってからというもの、介護用ベットや車椅子のリース代金が4倍近くも跳ね上がってるという事実すらある。
でも借りる方は少しも高くなったとは感じない。
これは今まで全額をリース代として払っていたのに対し、利用料の1割負担で借りられるので高く感じない事、業者の営業担当と化したケアマネージャーが、ノルマ達成の為に必要としない認定者にもどんどんリースさせているという実態がある。
番組では介護保険を利用して入院している患者の実情を調査していたが、ほとんど使っていない物の請求の山である。
要介護も4級5級と重度の認定になると月額40万を超える高額の介護保険が利用できる。
ある病院の資料では毎日パジャマ、タオル、バスタオル、靴下、下着、全て複数枚と異常な使用量。こんなもの実際には使ってもいない架空請求である。
更に保険で適用されているもの以外にも保険適用外として請求を起こし、家族から二重取りしているケースが目に余る位多いのである。
当然家族も疑問に思いながらも、自分の家で看てあげる事も出来ず、受け入れてくれる転院先も無く、悪徳病院と結託した極悪介護サービスのなすがままだ。
みんな泣き寝入りというのが現実だ。
 
東京都は今年5月、ケアマネージャーに対して独自のアンケート調査を行っている。
その結果、ケアマネージャーの36.2%が所属する事業所からケアプランを作成するにあたって「経営的な配慮」を求められているという。つまり余計に介護サービスをするように頼まれているわけだ。
このような原因から、ケアマネージャーの80%以上が業務に負担を感じており、5割以上のケアマネージャーが業務続行に自信が持てないという結果すら出ている。
 
  これには大きな原因がある、介護保険を統括するのは厚生労働省。あのヅラ?のおっちゃんが大臣の省なわけだが、実際に介護保険の運用を管理しているのは各地方自治体である。例えば東京都なら東京都福祉局、実はこれが大きな問題。
都や県は一般の訪問看護サービスセンターや特別養護老人ホームに対しては極めて厳格なチェックを行っている。ところが病院に対してはほぼノーチェックに等しいとある業者は指摘していた。地方自治体にとって病院は敷居が高いのだ。
 
 
ここまで読んで「あ〜この先年取ったらどうなるのかな?」と思ってる場合じゃ無いんだよ!
 
政府は介護保険の負担が大きくなって来ているため、現在40歳から納める介護保険料を若年層からも徴収する方針を打ち出してる。その代わり現在は65歳以上でサービスを受けられるのだが(特例としてくろじいのような脳血管障害の場合は40歳から)。その範囲を大きく広げ若年層、末期ガン患者なども対象にするという。
ただそうなると、例えばどこからが末期ガンで?何処までが医療で何処からが介護?
そう考えただけでも問題続出だ。
 
「ケアマネージャーは公平でなければならない」はずなのだが・・・・・まぁこの国でそれを期待する方が無理だ、今のシステムではどうみてもおかしい。
ヨーロッパ諸国の厳格なシステムではいったいどうなっているのだろうか?
機会があったら調べて、またこの場に書き込むとしよう。
なにはともあれ、税収に頼る日本国内での介護保険制度は、このままいけば遠からず破綻することだけは間違いない。
なにより介護保険制度の崩壊は、真剣に介護や福祉に携わる人達への影響が心配だ。
 
以前ビートたけしが「法律が変わって80歳以上は死刑に決まったんですよ」と老人ホームでギャグを言ったら、笑うどころかシクシクと泣き出す年寄りが居て参った〜と言っていた。
これから育つ小さな子供の為にも、政府は一刻も早く抜本的な改革をするべきだと思う。
死刑が冗談で済むうちにね・・・・・
 
 
とテレビを観て思うのである、テレビもなかなか良い情報源だ。
 
もちろん全ての情報を信じるわけにはいかないがね〜
だってさ〜永チャンは絶対●ニクロのパンツ履いてね〜だろ〜頼むよ〜
 


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